生活をしていく中で、周りからや自分でも気になってしまいがちな自分自身の体型や健康。「体重を減らして健康的になりたい」と悩む人もいれば、「筋肉をつけて体重を増やしたい」と悩む人もいるでしょう。
前者と後者がそれぞれの悩みを食事で解決しようとしたとき、異なる食事を取らなければならないかもしれませんが、ロカボ食を取り入れれば、どちらの悩みも解決できるかもしれません。
今回はそのロカボについて、ロカボの概要に触れつつ、どのような効果が得られるのかを紹介していきます。

ロカボって?
ロカボとは、通常の糖質制限よりも糖質の摂取量の制限が緩やかである食事法のことです。
糖質制限は、名前の通りに摂取する糖質を制限することで、脂肪を減らしたり、血糖値を下げたりする目的があります。メタボリックシンドロームや糖尿病の治療法として誕生した歴史をもちますが、現在はダイエット方法の1つとしても一般に知られています。
ロカボはこの糖質制限の基本的な考え方にプラスして、制限する糖質量を通常の糖質制限の倍ほどに設定されてます。そのため、緩やかな糖質制限をしながら、肉や魚、卵や乳製品などをおいしく楽しみながら取り組めるのです。
また糖質の摂取量に注意すれば、たんぱく質や脂質などを積極的に取ることを問題ないとしています。肉や魚などのおかずをたっぷり食べられるため、空腹を我慢せずにお腹いっぱいになれることも、ロカボの魅力です。
ロカボの効果1.肥満改善
■なぜ糖質を取り過ぎると肥満につながるのか
人間が肥満となる原因の1つである「糖質」。糖質は、食べ物などから摂取された後、消化吸収を通して最終的にぶどう糖に分解されます。このぶどう糖は酸素と反応することでエネルギーとなり、人間の活動の源になります。そのため糖質は、肥満の原因でありながらも、私たち人間には欠かせない存在です。
このぶどう糖ですが、血液の中で余ってしまうと、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きによってグリコーゲンになります。このグリコーゲンは、筋肉や肝臓に一時的に貯蓄されていきますが、貯蓄することができる限界を超えると、中性脂肪として体内に中長期的に溜めることになり、肥満につながっていきます。
■溜めた脂肪をエネルギーとして使う
緩やかながらも糖質を制限することで、貯蓄されたグリコーゲンをぶどう糖に戻し、そのぶどう糖を、エネルギーとして利用することで脂肪を減らしていきます。
これらが糖質制限の基本的な考え方であり、ロカボの効果の1つといえます。
ロカボの効果2. 糖尿病の予防
先述したように、糖質を摂取し血液の中にぶどう糖が多くなると、すい臓からインスリンが分泌されます。インスリンの分泌をし続けると、すい臓への負荷がかかり、インスリンが正常に分泌されなくなります。よって、血糖コントロールができなくなります。
このような状態に気づけず、糖質を取り過ぎる生活を続けていくことが、糖尿病につながる原因の1つだと考えられています。
糖尿病は、糖尿病腎症、糖尿病網膜症、糖尿病神経障害の糖尿病3大合併症や動脈硬化などにかかりやすくなるともいわれています。自分は無関係とは考えず、予防のためにも生活の中でどのくらい糖質を摂取しているのかを見直すことが重要です。
これらのことから、ロカボは、糖尿病の予防としても、糖質への向き合うきっかけとしても役割を果たせると考えられるでしょう。
■HbA1c
HbA1cとは、ヘモグロビン・エーワンシーと呼ばれ、血糖コントロールの状態を判断するための目安となるものです。HbA1cの数値が高い場合、その状態を放っておくと糖尿病につながることもあるため、病院で検査を受けるようにしましょう。
通常の範囲内ではあるが、高めの数値である場合は、ぜひロカボを取り入れて糖尿病の予防に努めてみることを検討してみてください。
ロカボの効果3.筋肉がつきやすくなる
ロカボは、米やパン、麺類などの糖質を控えつつ、肉や魚などのたんぱく質をたくさん摂取することを推奨しています。たんぱく質は筋肉をつくるために必要な栄養素とされているため、ロカボを取り入れることで必然的に筋肉をつくりやすい身体になっていくといえるでしょう。
ロカボは、ただ脂肪を減らし体重を落とすということだけではなく、筋肉がつきやすくし体重を増やすという、相反するような効果を持ち合わせている食事法なのです。
まとめ
ロカボの効果について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
今回紹介した「肥満改善」「糖尿病の予防」「筋肉がつきやすくなる」の3つの効果を得たくても、極端な糖質制限となると、糖質量の計算が面倒になったり、糖質の摂取を我慢できずに挫折してしまったりと、続けることが難しくなりやすいです。
しかし、ロカボという食事法は緩やかな糖質制限であるため、楽しめる食事の幅を広げることができます。また、「毎日続けているから、たまには糖質量をオーバーしても大丈夫だよね」ぐらいの気持ちでも問題ありません。上手く糖質と向き合い、ロカボ食生活を続けることが重要となります。
ダイエットをしたい人も、筋肉がつきやすい身体にしたい人も、ぜひロカボに挑戦してみてください。